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オリックス・バファローズ
2008/09/22
大阪で地域密着型球団を目指す!
オリックス野球クラブ株式会社 オリックス・バファローズ
常務取締役 事業本部長
 吉田 英樹氏
営業開発グループ 副部長
 佐野 浩一氏
営業開発グループ
 大島 明子氏

@大阪・兵庫の街や人にとってのオリックス・バファローズの存在について、どのように感じられていますか?
大島:あきらかに大阪の地域は本拠地ではないにも関わらず、阪神タイガースさんの力が強く、商店街のおばちゃんから大企業の社長さんまで阪神さんを応援しています。
その中で、神戸で育ってきた球団が大阪で根を張ることはなかなか難しいですが、一つ一つ着実に近づいていき、大阪の方の気質である「一度懐に入ってしまえば」というところを信じて、何回も何回も顔を見せて、着実にオリックスというものを広めて行ければと感じています。
今は、コミュニティグループという元ユニフォーム組みを中心とした野球教室や球団マスコットを活かしたイベント開催などを行っています。そこで少しでも「オリックス・バファローズは大阪のチームだよ」というのをわかっていただくために日々、奮闘しています。
「野球は阪神を応援している。でも、パリーグはオリックスを応援しているよ」と言っていただければ、今のところはいいのではないかと思っています。

佐野:大阪という土地は多分、プロ野球に飢えていないと思うんですよ。他の地域ってプロ野球の球団は珍しいと思うのですが、大阪は昔、阪神、阪急、南海、近鉄と4球団あってプロ野球があって当たり前という状況でした。その中で南海は福岡に行き、阪急は神戸に行き、残ったのは阪神と近鉄でしたが、阪神の人気は圧倒的。そんな中で、今年からウチはフランチャイズが大阪になったのですが、非常に厳しいものがあると思います。

吉田:阪神というのはかなり特異な球団だと思います。まずは巨人と一緒で歴史が長い。そして、戦後、関西系でパリーグに行く予定だったのが、最後でセリーグについた。これが結果的によかった。阪神タイガースはご存知のように、巨人との関係がかなり深かった球団。そのライバル関係もしくは親密な関係があったからこそ、この大阪という土地で根付いているのだと思います。

Aその中で、どのようにして球団は活路を見出していくのか。また、阪神との色分けをす
るために現在、行っている活動はあるのか?
吉田:オリックスはご承知のように阪急を売却し、神戸で17,8年やってきて、近鉄と統合という球界を揺るがす問題、または大阪ドームの使用問題など他球団とは違う色々な問題がありました。ですので、その辺りをこれからどうやって折り合いをつけていくのかという課題があります。
また、阪神さんは、球場は西宮(兵庫県)にありますが、皆さんに大阪が本拠地にあると思われています。その住み分けをどうするのかという問題があり、この2つの問題を私たちがどうするというのではなく、この問題を前提にどう走っていくのかが私たちの大きな課題です。
その前提というか、決められた枠の中で、自由もなかなか利かない。これはマーケティングを行う上で大変、難しい状況です。さらに、既存の球団で小さな親会社が撤退しているのはわかりますが、大会社が球団経営から離れているのはプロ野球界に相当な問題があると思います。

Bそのプロ野球界の構造について思われることは?
 吉田:ここのところは難しいですよね。しかし、まずはやはり底辺の拡大ではないでしょうか。
 大島:私どもでは先ほど言ったように、コミュニティグループというものがあり、その活動をコミュニティレポートという冊子に活動をまとめています。OBの野球教室を中心に、大阪・兵庫の小学校、幼稚園、養護施設を回ったり、商店街活動や行政とタイアップしたイベントを行う活動をしています。
    もちろん選手にもご協力いただいていまして、イベントだけでも年間180以上、開催しています。
佐野:多分、阪神タイガースはここまでやっていないのではないでしょうか。球団にこのようなしっかりとしたセクションを持って、やっているのは12球団でもかなり珍しいと思います。
大島:今年でこのコミュニティレポートは9号になるのですが、このコミュニティレポートを見て、他球団さんや他のプロスポーツチームもこれに参考に作りましたというお声を聞きます。やはり、このような地域との連携活動がより大切になってくるのではないでしょうか。

Cかなり素晴らしい活動だと思いますが、Jリーグなどはリーグ全体で地域密着を進め
ています。これについてどのように感じられますか?
大島:おっしゃられるように、1球団でやれることには限界があります。しかし、現状ではなかなか変えることはできない。その中で、選手としてのエリートも育てていくことも大切ですし、野球自体を振興していくことも大切です。私どもとしてはそれをできるだけ、どちらともできるように精一杯努力していくつもりです。
吉田:現在、日本では娯楽やスポーツが多様化しています。それが普通なら、時間が経つと文化になります。それが日本ではまだ文化として成立していないのではないかと思っております。先日、パリーグでメジャーリーグを視察しに行きました。その時に初日に見たのがニューヨークメッツホームの試合で、ウィークデーのデーゲームをやっているんですよ。それでも子どもたちがたくさん来ている。これは授業できているんでしょうね。先生が引率していましたから。また、違う一般の観客は有給をとってきている。屋根のない、昼間で気持ちのいい時間に野球をみる、これが本当の文化なんでしょうね。
私どももこのような地域活動をしていますが、そのようなところまで行き着くのかどうかというのがポイントになる。そうすれば、野球というものが日本人の中で風景になると思うんですよ。そうなると、私たちが心配しなくても自然とお客さんが入ってくれるのではないかと思っています。

Dそういった文化になっていくためにはファンの声も必要になってくると思いますが、現在、そのような声はあるのでしょうか。
大島:ファンの心理っていうのはなかなか難しいですよね。オリックスと近鉄が合併したから、そのチームを応援するというものに簡単になりません。ですが、ようやく1つになってこれたかなという思いはありますし、今、まさにチームを強くしていこうという声は上がっていっています。その声を私たちがどのように膨らませていけるかが課題になっていくのではないでしょうか。

Eそういった意味では、複雑な球団の発足の経緯があり、球団の運営は難しいのではないでしょうか?
佐野:やはり、今回は神戸にいたときとは違い、来て下さいというものではなかった。だから、現在、ファンや府民に対してこうしてくださいとオリックスから強く言えない立場が正直ある。しかし、それであきらめてはいけないと思っていますし、営業努力をして少しでもお客さんに球場へ来てもらいたいと考えています。
吉田:私はまだまだやれることをやっていないと思います。基本的な企業努力、球団としての努力が足りない。球場などのハード面ではなく、常にお客さんを一杯にして常にお客さんに喜んでもらえるという継続性が必要ですし、それがどこかでオリックスは切れてしまった。そこをもう一度どうにかしなければならないと思っていますし、そのために私が呼ばれたのだとも感じています。


Fでは、これからのオリックスの営業戦略とは?
佐野:確かに大阪では阪神タイガースが市場を独占していますが、マーケットとしては          とても大きいです。その大きなマーケットでしっかりとした戦略を立てれば、観客動員は増えます。その戦略に対して、しっかりと数字もとっていますし、プランも立てています。間違いなく、来年のオリックスの観客動員は増えますよ。笑

吉田:私も増える気がしています。ある程度の営業努力をしたら、数字は伸びます。野球の試合は勝ったり負けたりですから、その勝敗を差し引いての集客の戦略をもっと綿密に考えて、どうやったら大阪の人たちに来てもらえるかを徹底的に考えるべきでしょうね。今は低いところにいるので、それをある程度のところまで引き上げなくてはならないです。そこから、阪神やソフトバンクみたいになるためには次の戦略がいると思っているので、そのようなチームとはステージが違うと感じています。
そういった意味ではこれからはマネジメントだと思っています。イベントするにしても何をするにしても、計算式が確立できないといけないのではないでしょうか。それを語れるのはプロ野球界では少ない。しいていうなら、千葉ロッテの荒木さんくらいでしょう。ファンクラブの数字を持っているから。しかし、それだけの数字で全体を語れるかというと、それもまた違うと思います。
プロ野球の試合に来る人の大半は年に数回しか来ない人たちですからね。その年に数回来る人をどうするのかというのがポイントになると私は考えています。
そのようなことを含めて、マネジメントの考えを私ども取り入れながら、何とか、来年は増やします。藤本さんもまた、来年、オリックスの様子を見に来て下さい。
満員の大阪ドームをご紹介します!笑