若者へスペシャルゲストが熱いメッセージ!!

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特別企画 歴代4代表が語る!
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若者へスペシャルゲストが熱いメッセージ!!



渡部英之氏
2009/06/08
創設期のカープを語り継ぐ
元広島カープ 総務次長 渡部英之さん

昔のカープと今のカープは何か違いはありますか?
昔のカープを一言で言えば、勝ち負けではないということですかね。
当時、大洋の補強費が6000万円、カープは公称800万円、実際は500から600万円しかありませんでした。勝率も.299で首位から54ゲームも離れていました。
しかし、ファンは応援し続けました。そのファンの後押しで、本当は.200しか勝てないような戦力で、その年に勝率.299にできたと当時、監督であった石本さんは言っていましたよ。
そこから比べて今のカープはとても強いように思えます。また、熱心なファンはその創設期のファンの遺伝子が脈々と受け継がれているのではないのでしょうか。そのようなファンの支援に応えるためにも、今年は頑張ってほしいですね。

当時(1950年代)はどのようなお仕事をしていたのですか。
本当に何でもしていました。現在のカープの球団職員は100人くらいですが、当時は5人ですから。
特に試合時に行っていたたる募金の作業は思い出深いですね。
当時の県営球場は入場口が狭い通路になっていました。そこにたるをおいて、募金をお願いするとお客さんが入場料だけでは申し訳ないと思って、お金を入れてくれました。本当に皆、お金がない中で、入れてくれるのはありがたかったです。
それもやはり、おらがチームの精神が強く、心の一部であり、体の一部でした。カープに対して、育ての親というものがファンにそれぞれあり、路頭に迷わせたらいけんと思い、応援してくれたのだと思います。

カープは市民やファンにとってどのような存在だったのでしょうか。
終戦後、広島の勇気と希望だったのではないでしょうか。
逆にそのような歴史がなければ、ただの弱小球団です。
常識的には考えられない球団運営をしていたのですから。選手は満足にご飯も食べられない、電車移動は3等車で、床で寝ている選手がいる。
しかし、皆、カープが勇気と希望だったから、ファンはもちろん、選手やフロントも頑張れたのではないでしょうか。

若者にメッセージを
勉強、就職活動など色々あると思いますが、なせば成ると思います。これは創設期のカープと一緒ですが、絶対にあきらめたらいけない。津田恒美投手も弱気は最大の敵だと言っていますが、弱気にならずにがむしゃらに頑張ってくださいと若い人たちに伝えたいです。
また、現在、私はカープの語り部活動をしていますが、このような活動を若い人たちにも継承してほしいと願っています。