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スクラップ帖95(寺西レポート・・・講演会記録ー平成6年4月30日より・・・前編)
| 2006/04/10
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平成6年度春の広島地区高体連サッカー部総会に、当時広島県高体連サッカー部技術委員長であった眞藤邦彦先生(現JFAナショナルトレセンコーチ中国地域チーフ)から、「寺西さんに講演をお願いしたいのだが」との依頼があり、お願いしたところ快諾を得た。テーマは眞藤氏から提案があったと聞く。 眞藤氏の講演記録が残っており、ここに再び前編、後編の2回に分けて掲載しようと思う。・・・
広島地区高体連サッカー部総会 平成6年4月30日(土) 講演会 テーマ【個人レベルをどうアップさせるか】 講 師 寺西 忠成
前編・・・
『元八幡製鉄サッカー部の監督であった寺西さんは、現在福岡県小倉在住で、3年前より東福岡高校サッカー部のコーチを務めておられ、また広島一中OBということもあって、現在の国泰寺高校を長年にわたって指導されてきています。この情熱あふれる氏に、広島サッカーの再建に一役かっていただこうと、この度の講演会に講師としてお招きした次第です。
さて、今回は「個人レベルのアップについて」と題して、90分間ハーフタイムなしで非常に充実した話をしていただきましたが、誌面の都合で、要約した形で皆様にお知らせいたします。
まず、広島弁と広島サッカーを誇りにしてきた寺西氏は、冒頭に前回の下村さんの講演内容を引用して、我々指導者に苦言を呈されました。
「下村さんの講演内容は、うんちくのある話で非常に感銘を受けるものでしたが、皆さんはそれを充分に活用されていますか。」 と最初から我々にとっては厳しい言葉でしたが、このことは素直に受け止めなければならないと思いました。それから氏は徐々に本題に入っていかれました。
「個人のレベルアップ」は、表向きはやさしいテーマですが、実は奥が深く、氏は
「やねこいテーマをもらったのう」
と思われたそうです。今一歩の広島サッカーを何とかしたい一念で、このテーマをやり遂げたいと決心されたそうです。だが、このテーマには特効薬はなく、ただただ集中力と反復練習あるのみであるとされ、それでも、手をこまねいていては現状は打開できないから、テーマを「本丸」とすれば「本丸」に到達する前に「外濠」について話しつつ現状打開の糸口になればと考えられ、次のように先ず「外濠」について述べられました。
@勝利主義的部活=チャンピオンスポーツ
しかしながら現状は、生涯スポーツとチャンピオンスポーツとが同居している。やはり勝てば官軍、負ければ賊軍である。
A部員が多い
サッカーブームも手伝ってか、それなりのチームは60〜70人もの部員がいるが、個人能力の差がありすぎ、どこにポイントをおいて指導するのかがボケてしまっている。加えて中学校から高校と一貫指導体制ができておらず、輪切り型になっている。これを修正するには、コミュニティー型を目指すことであるが、それには勝つことが大事である。
B施設が狭い
グランドも体育館も60〜70人の生徒をまかないきれない。いわば「猫の額」のごとしである。こうした中ではファンクショナルトレーニングも何もない。もっと工夫が必要である。
C多すぎるトーナメント
年間8回のノックダウンのトーナメントがあり、常にトップコンディションを保ち続けなくてはならない現状で、移行期・準備期・試合期とスケジュールをうまく組んでいくには、どうしたらよいか。(詳しく説明されましたが、ここでは割愛します。)
D生徒気質
部活は遊び場であり、楽しい社交場である。だから、苦しんでまではしたくないし、集団の先頭になりたくないと思っている。そのため練習においても自主性に欠け、ただメニューを消化しているにすぎないのである。
以上の5つの「外濠」を話してみると、個人のレベルアップがいかに至難なことかよく解る。』・・・
後編につづく
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