50(フィフティーズ)の落書き帖

スクラップ帖103(馬場啓一さんの「男の礼儀作法」から・・・)
スクラップ帖102(寺西レポート・・・思いつくままに)
スクラップ帖101(モルテン代表取締役社長の民秋 史也氏、【教育改革への提言9章】)と雑感・・・)
スクラップ帖100(スクープ!-エスパニョール・ユースU-17(スペイン))
スクラップ帖99(雑感と河合隼雄氏の〔個の時代に合った規範を〕から・・・A)
スクラップ帖98(雑感と河合隼雄氏の〔個の時代に合った規範を〕から・・・@)
スクラップ帖97(山田洋次監督―2005年8月11日付け中国新聞「戦後60年を語る」から・・・)
スクラップ帖96(寺西レポート・・・講演会記録ー平成6年4月30日より・・・後編)
スクラップ帖95(寺西レポート・・・講演会記録ー平成6年4月30日より・・・前編)
スクラップ帖94(田勢 康弘氏の【戦後60年 (下)】(2005.8.16ー日本経済新聞より)
スクラップ帖93(寺西レポート・・・X理論・Y理論)
スクラップ帖92(雑感・・・矢部廣重氏から・・・A)
スクラップ帖91(雑感・・・矢部廣重氏から・・・@)
スクラップ帖90(雑感・・・いかにやらせるか・・・)
スクラップ帖89(寺西レポート・・・オランダ協会のジュニア育成・・・B)
スクラップ帖88(寺西レポート・・・オランダ協会のジュニア育成・・・A)
スクラップ帖87(寺西レポート・・・オランダ協会のジュニア育成・・・@)
スクラップ帖86(師匠 寺西 忠成のこと・・・E)
スクラップ帖85(師匠 寺西 忠成のこと・・・D)
スクラップ帖84(師匠 寺西 忠成のこと・・・C)

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スクラップ帖96(寺西レポート・・・講演会記録ー平成6年4月30日より・・・後編)
2006/04/12
広島地区高体連サッカー部総会 平成6年4月30日(土)
講演会   テーマ【個人レベルをどうアップさせるか】
講 師    寺西 忠成

後編・・・




『しかし、ここで手をこまねいていたのでは余りにも無策である。物理的な問題点はあるとしても、その環境の中で先生と生徒が一体となれば多くを学べると思う。

そのために、「名将のもとに名選手あり」の諺があるように先生方に名将となられたい。これが「本丸」である。「外濠」が理解されて、しっかりとした「本丸」が築ければ、必ずや個人のレベルアップが図れると考える。それでは、名将になるために、


@ FOR THE TEAM

 大将が先ず自己を犠牲にせず兵を求めるなかれ。先生は辞めて監督になれ。For the teamを立証せよ。そして、あるときは監督も辞めて友達になれ、されば生徒は先生の「ため」になろう。

@ 先憂後楽

大将が兵より先に楽しむべからずである。生徒に先立ち苦しみ、生徒が楽しむようになったら楽しむ。生徒の苦しみを解決してやれ。

A 厚情

大将は、厚い心をもって叱れ、されば生徒は解る。モラールの原点である。厚情はやる気をおこさせチームワークをつくる。

B 自己研鑽

大将は自己研鑽せよ。「温故知新」である。昔のことを調べて、新しいことを知る。色々なことを修業する。修業で得たものをチームに還元する。奥義・極意の皆伝にあずかろうとすれば、大変な修業が必要。極意なるものがKnowhowである。オフトやファルカンはこのノウハウをもって監督をしているわけである。


以上の4つの要件―FOR THE TEAM・先憂後楽・厚情・自己研鑽があれば名称が生まれ、名選手が育たない筈はない。そして、最後に名将が手にもたなければならないのは、細かいメニューである。

メニューについて、配布された資料は詳しく、分かりやすく記述してありましたが、ここでは、要旨のみに割愛させていただきます。

「細かい週単位で練習し、多人数の選手をグループ分けし、それぞれの選手群別メニューを策定・実施し、時には月1回メンバーの入れ替えをする。そして、試合でどこが悪いかの修正練習をするには、戦略のパーセントを増やすことである。」と述べられました。

最後に余談の中で以下の事も述べられました。

@ タレント性(特性)

「先ず長所をもちあげ、次に叩く」

A 自分の役割分担を全うするよう事前準備をする。

「彼を知り己を知らば、百戦するも危うからず」

B 集中力

   サッカーは予測のゲーム、予測の原点は研ぎすまされた神経・集中力からだ。90分のうち修羅場は5分位。残り85分は、その局面、局面で何をすべきか、何が起きるかを考えてプレーせよ。

C これでもか、これでもかの計画

計画=考えられる全てのものを網羅し、あらゆる角度から100%の予測をし、作成することである。


90分の講演でしたが、大変実のある中身であったと思います。後で寺西さんの原稿を拝見することができましたが、この講演で話されなかった事柄についても記述があり、この原稿にもとづいてリハーサルもされて準備をされたとか、その事を聞いただけでも頭のさがる思いです。この講演、寺西さんの情熱を無駄にしないためにも我々一人一人聞き手が「フ―ン、そうか」で終わらせるのではなく、本気で広島のサッカーを再建したいと思います。そのためには聞き手である我々が、寺西さんの話の中身をどう汲み取って、今後どう取り組んでいくかにかかっているのではないでしようか。これからもお互いに情報交換し、励ましあって広島のサッカーの為に頑張っていきたいと思います。』



後編 終わり。・・・